あなたの会社に必要な真のDXとは?

2024年10月12日
今年の4月、私にとっては2人目の孫ができました。

現在、娘夫婦と同居しています。
我々家族にとって、今年の最大のニュースは第二子の誕生。
本当に嬉しかった!
市役所に勤めている夫のS君は迷いなく産休・育休を取りました。

私は、我が子が誕生した30数年前のことを思い出しました。
当時は「家庭より仕事」の価値観が強く「産休・育休」なんて怖くて上司に言えませんでした。
時代が変わったとは言え妻のために迷いなく育休を取れる彼を大変尊敬します。

ニュースを見たら、国の対策の影響もあって、この夏、男性の育休取得率は史上初めて30%を超えたそうです。
男性の3人に1人が育休取る時代、30数年前は当時想像もできませんでした。
時代は変わるものですねー。
しかも、令和の初めは7%台だったわけですから、ここ数年で急激な上昇がありました。

そんな時代の変化を受けて男性の育児グッズを扱う育児用品店が増えているようです。
すごい。そりゃそうだよね。

男性向け育児グッズでヒットしているのはスタイリッシュな男性用の抱っこ紐ですね。
男性用のかっこいい抱っこ紐、そういえば最近よく見かけるようになったかも。

経営者目線でみると、こうやって時代の流れから今まで見えなかった「潜在ニーズ」を発掘して「男性用抱っこ紐」というヒット商品を作った会社がすごい!と思っちゃいます。

「男性の育休取得率は30%超え」→「スタイリッシュな男性用抱っこ紐」
後で見たら当然に思えるけど、商品開発する側に立ったらすごい大変なこと。
業界の常識にはやっぱり永年「抱っこ紐は女性しか使わない」という思い込みもあったはず。
そんな常識を破って商品を開発し、ヒットさせた人たちは、詳しいマーケティング調査や鋭く時代を読む力、そして常にマーケットを分析し続ける地道な努力があった方々なんでしょう。

「顕在ニーズ」(今見えているニーズ)→表面的 (例:女性用抱っこ紐)
「潜在ニーズ」(あるけど見えないニーズ)→本質的 (例:ヒットした男性用抱っこ紐)

DXの現場では、「顕在ニーズ」と「潜在ニーズ」の問題は深刻です。
DXの現場で悩ましいのが、表面的な「顕在ニーズ」に予算を使い果たし、本質的な「潜在ニーズ」を見逃しているため、本来欲しいはずの生産性向上が達成できない現象が至る所で起きていることです。

私の担当する製造業のDX案件でも「潜在ニーズを発掘する」ことの重要性を感じる出来事がありました。

A社さんのご相談は、「機械がよく止まり、残業時間が増えるので、機械の効率を上げ、残業を減らしたい!」というものでした。そして、そのためにお客様が検討されていたのが、機械が止まったらランプが点滅し、すぐに対応できる「パトライトの導入」でした。

しかし、私たちが行った工場見学で分かったことは、「機械が止まる原因は機械の動かし方や管理だけでなく、材料そのものにもあるかもしれない、また温度や湿度といった外部環境にもあるかもしれない。」ということでした。
そのため、私たちは最初の計画を修正いただき、材料が倉庫に入った段階から出荷までの時間や保管場所などを記録し、あとで追跡できるようにする「カンバン(入庫した商品ごとにつける札)の導入を優先する」ことをご提案しました。

整理しますと、
現場のニーズは「機械の止まっている時間を短くするためにパトライトが欲しい」でした。
これは今見えているニーズ、つまりは顕在ニーズです。

一方、「入庫から出荷まで材料を追跡できるカンバンの導入」は目に見えないが、より本質的なニーズ、「潜在ニーズ」なのです。

カンバンの導入により、特定の材料がどの機械を使って、いつ、誰が加工したのかを追跡調査することができます。それは午前中なのか、夕方なのか?、そのときの温度は?、湿度は? そんなことが明らかになると、機械が止まる原因がだんだん見えてきます。こんな条件の時は止まりやすいと法則が見出せるかもしれません。
こうした、根本原因を探るための情報の見える化は効果的で、その情報を適切に使えば、企業に大きな利益をもたらしてくれる真のDXとなるでしょう。

一方で、もし、A社が顕在ニーズに予算の大半を使い、全力で機械を無駄なく動かそうと努力しても、機械が止まる原因が、機械以外にあった場合には、本来達成したい「生産性を上げて社員の残業時間を減らす」という課題は解決できません。つまりDXは達成できないことになってしまいます。
このような現象があなたの現場で起きていませんか?

工場用も、オフィス用も、DXのための製品はたくさんあります。
またそれを費用面でサポートしてくれる補助金や助成金もあります。

でも、今、目に見えている問題だけに対応しても、問題の解決には至らない可能性がるのがDXの特徴です。

もし、「投資はしたけど思ったほど効率があがらないなーー」と考えている経営者の方は、その現場に目に見えない「潜在ニーズ」がないか点検してみてください。
もしわからなければ呼んでください。ご一緒にやりましょう!(笑)

そうすれば、あなたの会社に必要な真のDXが何なのか見えてくるかもしれません。

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