日本の工場に熱望されている“双子”

2024年10月20日
NHKの朝ドラ「おむすび」見てますか?

橋本環奈ちゃんの魅力が出てて、つい見ちゃいます。
アイドル時代に「千年に一人の逸材」として人気になった少女が、25歳で朝ドラ女優。
自分の娘に近い年齢なので、父親のような目線になってしまいます。

有名な話ですが、橋本環奈ちゃんは二卵性双生児で、双子のお兄ちゃんがいるそうです。
芸能人ではないので、顔は分かりませんが、さぞかし、イケメンなんでしょうね。

工場のDXの世界では、今や“双子”の話で持ちきりです。
それは、「デジタルツイン」といって、デジタル空間に工場をそっくりそのまま再現した「双子」を作るというプロジェクトです。

「そっくりそのまま」ということは、工場内の機械の稼働状況はもちろん、人の動き、作り出される製品の状態、使用している電力量、温度、湿度などありとあらゆる状況を再現するのです。

そうやって作られた「デジタルの弟」は、無口なお兄ちゃんと違って、いろんなことを教えてくれます。
「今この機械はこれだけの電力をつかっているよ」とか、
「この機械は、1時間に10個作れるのに、他の機械は1時間に8個だよ」とか、
「工場の温度が〇〇度を下回ると急に不良品が多くなるよ」とか、
今まで「なんとなく感じていた」ことがデータで表され、簡単に分析できるようになります。

それは、会社に下記のような大きなメリットをもたらします。

1.製品の質と工場の生産性が上がる
今まで、工場にいても、どれだけ電力を使っているのとか、今の温度は何度かなど、目に見えない情報が多くありました。
しかし、デジタルツインで見える化することにより、そうしたことがリアルタイムでわかるようになります。
そのことは、工場においては大変大きなことで、製品の質と生産性が向上に直結します。

2.機械の故障や不良品の発生を未然に予測できる
デジタルツインで分析することにより、機械の故障や不良品の発生がどのような場合に起こるのかをパターン化できます。
それができれば、そのパターンを変えるような対策ができますから、そういったトラブルを未然に予防することができます。

3.遠隔地で工場の管理ができる
いくつも工場がある会社では、今まで、それぞれの工場に責任者が必要でしたが、デジタルツインの導入により、離れた工場もまとめて管理できるようになります。

4.工場のレイアウト変更や機械の変更が容易になる
今までは、実際に新しい機会を導入するまでは、よくわからなかったことが、デジタルツインを使ったシミュレーションでわかるようになるため、工場の配置換えや新規の導入、新製品の開発スピードとコスト削減が図れます。

5.工場の強みや技術を伝承できる
今まで、職人技で真似できないと思われた技術や段取りが、デジタルツインにより数値で表されるようになり、ベテランの技を若手に伝承することが可能になります。

みなさんいかがでしょうか?

こんなに、メリットが大きい「デジタルツイン」ですが、実は日本がめちゃめちゃ遅れているんです。
ヨーロッパでは、こうしたデジタルツインのための無料ソフトを政府が配布していて、他の工場の状況も見えるようにしています。
自動車メーカーがデジタルツインの公開情報を見て、全く業種の違う製薬メーカーの工場に部品製作を依頼するとか、
他の工場の状況を見て、電力の安い時間帯に稼働するとか、さまざまなDXが生まれています。

一方、日本では、最近多くのデジタルツイン製品が出てきましたが、「メーカーごとに仕様が違う」「めちゃめちゃ高価で町工場では手がでない」という状況になっています。

当社では、その会社、その工場に合った仕様、予算でのデジタルツインの作成を支援しています。

機械の基盤をちょこっと細工するだけで、電力量が測れたり、高価な部品を買わなくても3Dプリンターで安く作ったり、なんなら100均の材料で部品を代用したり…。社長さんにもわかるように説明し、具体的に手作りで、中小企業でもできるデジタルツインを作っていきます。

日本の工場に熱望されている“双子”を作ること、しかも安く便利に…が、今の私の大きな関心事なんです。

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