2025年1月16日
2025年は、日本の製造業にとっての正念場です。
人手不足、原材料高といったマイナス要因と、生成AIの活用、ロボットの進化などのプラス要因が大きな変革を企業に求めているように思います。
デジタルを駆使し、無駄を省くことはもちろん、業態の変容をもたらす新たなDXが求められています。
近年、製造業におけるDX（デジタルトランスフォーメーション）の重要性が叫ばれています。
しかし、多くの企業が「業務効率化＝DX」と捉えているのが現状です。
本当に必要なのは、「視座を高めること」。つまり、デジタル技術を 単なる業務改善のツールではなく、ビジネスモデルそのものを変革する力として活用する ことです。
🔹 製造業DXの視座の高さをどう考えるべきか？
DXの視座の高さを、単なる「デジタル化」から「ビジネスの再構築」までの3つのレベルで整理すると、次のようになります。
| 視座の高さ | 考え方 | 具体例 |
|---|---|---|
| 低い視座 | 既存業務のデジタル化 | 紙の作業を電子化、RPAで入力作業を自動化 |
| 中程度の視座 | 工場全体の最適化 | IoTを活用したスマートファクトリー、AIによる品質管理 |
| 高い視座 | ビジネスモデルの変革 | デジタルツインで工場全体を仮想化、新たな製品・サービス開発 |
現在、多くの企業が 「低い視座のDX」 にとどまっていますが、今後の競争力を考えると 「高い視座のDX」 へのシフトが不可欠です。
「視座の高いDX」：ビジネスモデルの変革
視座を高めるとは、「デジタル技術を使って、これまでの製造のあり方を根本から変える」ことです。具体的には、
・デジタルツインで仮想工場を構築し、最適な生産計画をリアルタイムで調整
・AIが品質をリアルタイムでモニタリングし、不良発生を未然に防ぐ「ゼロディフェクト製造」
・顧客のデータを活用し、B2B企業がD2Cモデルへ転換（例：カスタム製品の受注生産）
・製造業×サブスクリプションモデル（機械を売るのではなく、使用量に応じて課金）
💡 ポイントは「ビジネスのルールを変えること」
➡ 「製造業はこうあるべき」という固定観念を捨て、デジタル技術を活用して新しい市場を作り出すことが重要です。
2025年は、世の中の流れがさらに加速すると思われます。
厳しい状況に補助金もたくさん用意されています。
しかし、日本の製造業が、「安くていいものをできるだけ多く生産する」ことを目標にしていてはさらに日本は遅れます。
今こそ、日本の製造業に求められるのは、DXの視座の高さなのです。