大切なのはデジタルのアナログ化

2024年10月17日
私の部屋にあるお気に入りのワイヤレススピーカーです。

Marshall ワイヤレススピーカー Acton III

パソコンからブルートゥースで繋がる便利なやつなのに、本体は革張りで電源スイッチはレバー、音量・音質調整は昔懐かしい感じの回転式のつまみです。
高校生時代、初めてライブハウスに行った時、ステージに置いてあったやっつっぽい感じがとても好きです。
私は、ギターもピアノも弾けませんし、音楽は詳しくないですが、このスピーカーで音楽を聴くと気持ちが安らぎ、元気が出てきます。

これは、アナログとデジタルの完成度の高い融合の例だと私は思います。

DXというと、アナログで効率の悪いデータをデジタル化することであるとお考えの方が多いかと思います。
それは「デジタル化」の取り組みです。
DXはさらに、デジタル化したデータを使ってどうやって、ビジネスモデルを変革し、会社が儲かるようにする取り組みです。

その場合、重要になってくるのが、デジタル情報のアナログ化です。
「デジタル化」は無機質な冷たい印象ですが、DXは違います。
人間を中心に考え、人がワクワクする、楽しくなる、温もりを感じることが必要になってきます。
一回、アナログをデジタル化したら、同じくらいの努力でデジタル情報をアナログ化してみる。
この試みがあるかないかで、メンバーのやる気や温度に差が出ます。

デジタル庁も、「ぬくもりDX」を推奨しています。
デジタル庁が打ち出した「ぬくもりDX」は、デジタル技術の導入や活用において、単に効率化や自動化を目指すのではなく、人間味や温かみを大切にしたDXを推進する取り組みです。これは、デジタル化が進む中でも人と人とのつながりやサービスの質を重視しようというものです。

当社の例をご紹介します。

当社はリモートワークの社員さんもいるので、スプレッドシートで作った「バーチャル本社」があります。
皆さんは、朝来たら、タイムカードを押して、バーチャル本社のデスクに座って(在席のボタンを押す)、会議に参加します。
在籍したら、皆さんに挨拶する欄があって、一言挨拶文を書きます。
これは、スプレッドシート上ですが擬似出社体験、朝の挨拶体験ができるので、リモートワークの方には好評です。
バーチャル本社には、タイムカードや各データに直にリンクできる書棚も置いています。
掲示板を見ると、誰に旅行の予定がある、この日はお子さんの参観日があるからお休みとメンバーの状況を知ることができます。

「絵文字」の使用も温もりあるDXには重要なアイテムです。
当社は、グループウェアとしてGoogle Workspaceを使っていますが、チャットの内容を読んだら、既読のマークをつけるルールがあります。
そのマークは、人それぞれ決まっていて、「フライドポテト」の絵文字は誰、四葉のクローバーの絵文字は誰と社内ではみんな知っていますからスタンプを押すだけで誰の操作かわかるのです。
ラインなどで上司から業務指示があった場合、返事は、「了解しました。」「ありがとうございます。」「後ほど提出します」とリプライや返信を文章で返すのが通例かとおもますが、結構時間がかかっています。絵文字を使えば、1秒未満で「読みました。了解しました。」という意思が相手とグループ全体に伝わります。
「丁寧じゃない」というご意見もあろうかと思いますが、それは社内ルールを決めています。
ご興味のある方は、やり方をご紹介しますのでご連絡ください。

大切なのはアナログ情報のデジタル化よりデジタル情報のアナログ化。

業務効率を上げながら、アナログ化、ぬくもりの要素を入れられるかが、成功するDXのポイントです。

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