経営者とは、会社のデザイナーである。

2025年03月02日
今日は、中部経済産業局主催のデザイン経営支援プログラム成果発表会に参加しました。
https://www.chubu.meti.go.jp/b36tokkyo/event_2024/20250205/index.html

この発表会は、「デザイン経営」の9つの入口により、「デザイン経営」の取り組みを始めた企業3社とその取り組み伴走したデザインプロデューサーによる成果発表がメインのプログラムでした。
その取り組みは、効率重視の現在の日本の中小企業の中において数少ない貴重なと仕組みであったと思いました。
この発表に感銘を受け、特許庁のホームページ位掲載されている「みんなのデザイン経営」を読み、「デザイン経営」について少し学びました。

みんなのデザイン経営
私自身、初めて「デザイン経営」にふれました。
「デザイン経営」の概略を解説した「みんなのデザイン経営」を読んでその理論体系を学びました。
この考え方は、当社の企業理念である「ひと中心のDX」という考え方に通じるものがあり、とても経営の本質をついたものだと思いました。
「デザイン経営」は、デザイナーの持つアプローチを経営の中に取り入れる考え方です。
優れたデザイナーは、数字やビジネス規模から発想しない。人間を観察し、彼らに寄り添いながら、企業ブランドの構築や商品・サービスの設計を行うのが、デザイン経営の根幹です。

上記の考え方は普遍的で、「デザイン経営」のみならず、日本のすべての経営者に通じる大切な基本だと思いました。
日本の経営者は、「デザイン経営」の存在を知って、学び、経営をブラッシュアップする必要性があると強く感じました。

 


中小企業のためのデザイン経営ハンドブック(PDF形式:7,408KB)

デザイン経営9つの入口
デザイン経営は、いつでもどこからでも始められる手軽さ、自由さ、間口の広さがある。
デザイン経営に正しい順番はない。
「認知が低い」「下請けから抜け出せない」…… まずは自社の課題を洗い出し、 それを解決してくれる入り口から 飛び込んでみよう。ということです。

デザイン経営には、誰でも入りやすい9つの入り口が用意されている。

 MISSION:意志と情熱を持つ
 IDENTITY:歴史や強みを棚卸しする
 COLLABORATION:社内外の仲間を巻き込む
 BEHAVIOR:社員の行動変容を促す
 VISION:未来を妄想する
 STORYTELLING:魅力ある物語を発信する
 INSIGHT:人を観察・洞察する
 EXECUTION:心をつかむモノ・サービスをつくる
 PROTOTYPING:実験と失敗を繰り返す

技術や市場規模の観点ではなく、「人」を起点にビジネスを考える。
経営にデザイン的なアプローチが必要だ、という認識は広まりつつあります。
経営にデザイン的なアプローチ」とは、技術や市場規模の観点ではなく、「人」を起点にビジネスを考えること。
では、多くの中小企業が、デザイン経営を自社に活かすためには、どうすればいいか。

それは、自社にあった「入り口」から実践してみること。

すべての会社が同じセオリーに従っても、なかなか効果は出ない。
悩みを抱える企業が自分たちに合ったやり方を実践するための、9つの「入り口」を提案している。
これは大変面白い考え方だと思いました。

課題別 デザイン経営の入り口
また、企業の課題別に「デザイン経営」に取り組むこともできます。

経営者とは、会社のデザイナーである。
こうした手軽な入口をとっかかりとして、「デザイン経営」の実践に向かうアプローチは、きっと自由で新鮮なものになると思います。
デザイン経営ハンドブックには、株式会社ジャクエツ代表取締役社長徳本達郎氏の例が取り上げられています。
ジャクエツでは、事業の開始の判断が「儲かるか、儲からないか」ではなく、「子どもが夢中になれるかどうか?」
を判断基準にしているそうです。
まさに、技術や市場規模の観点ではなく、「人」を起点にビジネスを考える例と言えます。
そして、徳本達郎氏によれば「経営者とは、会社のデザイナーである。」という言葉に共感を受けました。
当社も、この「デザイン経営」の考え方を取り入れて、「ひと中心のDX」をさらに進めていきたいと思いました。

     

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