人中心のDXで進化した幸せな現場を創ろう

2024年10月21日
みんな大好き、「とんかつ新宿さぼてん」のDXをご紹介します。

都内でよく見かけるとんかつ新宿さぼてん、最近は私の住む東海地区でもショッピングモールなどで見かけるようになりました。
昭和41年創業の老舗です。
私は小学生の時、都内のお店に入ったことを覚えています。
美味しかったなー。
現在ではグループ全体で600店舗を超えるチェーン店です。

2年前、タイに行った時、ショッピングモールにも店舗がありました。
海外にも110店舗あるそうです。

とんかつ新宿さぼてんの執行役員伊藤信博さんがチャレンジしたDXは「笑顔の数値化」です。

この会社の社是は「人に喜ばれてこそ 会社は発展する」です。
この「人に喜ばれてこそ」とは、顧客だけではなく、そこで働く人が感じる喜びも含んでいます。

この社是が大好きな伊藤さんは、
「DXを進める過程で、いくら素晴らしいハードウェアやソフトウェアを導入しても、
現場で働く人に喜ばれないのであれば意味がない」と考え、
AIカメラを使って、お客さまの笑顔と、店舗で頑張っている仲間の笑顔を数値化し、
“喜びの見える化”する試みを20店舗で始めたそうです。

導入前は「カメラで監視されるのでは?」と警戒感が強かったのですが、
伊藤さんは、
「社是にある通り、人に喜ばれるって大事ですよね。皆さんの接客がどれくらいお客さまに喜ばれているか、知りたいと思いませんか」
と社員さんを説得したそうです。

それにより、この笑顔の数値化が実現しました。

これにより、「笑顔数値」がお客さんの来店頻度や売上額が直結していて、笑顔数値が高いほど「お客様に喜ばれる店舗」だということがわかったそうです。

それがわかれば、笑顔数値の高い時間はいつか?、高い店舗はどこか?
がわかり、数値の高い要因を分析することで、様々な具体的な改善ができたことは想像できます。

あるお店の「笑顔数値」な毎回高いので、その時間帯を狙って伊藤さんが訪問すると、
店員さんがショーケースの前に出て、夕飯の献立の話で盛り上がっていたそうです。

微笑ましいエピソードですよね。

いかがでしょうか?

DXの中心は常に「人」じゃないとうまくいきません。

笑顔数値も笑顔というアナログ情報をデジタル情報に変えたのがスタートですが、これは単なる「デジタル化」です。
社是に基づいて、周りを説得し「仲間をつくる」。
その数値を売上や顧客アンケートとリンクして、「人中心の改善点を探る。」
異常値の出る現場に行ってみる、調べてみる、つまりは「人に会う」。
そんな人中心の地道な努力がDXには必要なことがこの事例からよくわかります。
人を中心として、アナログ→デジタル→アナログが何度も行き来して最後は人に戻る。

真のDXは「人中心」そうでなければ、進化した幸せな現場は作れませんよね。

 

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