DXのために会社や組織に必要な能力とは?

2024年10月13日
面白い本を見つけました。

『子育ては最高のキャリア、最高のウェルビーイング』(天野 紹子 講談社)です。
https://www.amazon.co.jp/dp/4065334640

子育てを通じて獲得できる7つの能力について書いています。
こちらは、だれもが納得する内容かと思いますのでご紹介します。

子育てを通じて獲得できる7つの能力

1.マネジメント能力
「子育て=家庭をマネジメントすること」だから。
本当に育児は戦いであり、マネジメントな気がします。

2.コミュニケーション能力
特に3歳くらいまでは、非言語のコミュニケーションを徹底的にとらなきゃいけない。
鳴き声や仕草からお腹が空いているのか?おむつ替えたいのか?なんていろんな要求を汲み取る

3.問題解決力
子育ては問題の連続。熱が出たり、怪我をしたり…

4.時間管理力
保育園、幼稚園、学校みんな時間通りにしなきゃいけない

5.マルチタスク能力
子どもさんが小さい時は全て「面倒見ながら〇〇」全てがながらになります。
確かに、あれもこれも同時にこなすマルチタスク能力は身に付きます。

6.長期的な視野
これも納得。子育ては10年、20先まで考える必要があります。

7.あきらめない心、根気強さ
何が起こっても動じない心や毎日積み重ねる根気強さ。
実はこちらが育てられているのかも。

みなさんどうお感じですか?
特に子育てしたことある人には納得の内容じゃないでしょうか?
これを読んで、あー、そうかと思いました。
世間が「足らない、足らない」と騒いでいるDX人材に必要なスキルの大半は、子育てに共通しているなと。
あなたの会社がDXを推進していく能力を考えるのに、上記の子育てで獲得する能力はとても参考になります。
この本の分類をもとに、会社でDXを推進するために必要な能力に置き換えてみましょう。

DXを推進するために会社が必要とする7つの能力

1.マネジメント能力
DXしていくためには、何かしら会社のシステムや慣習を変えていく必要があります。
計画を立て、目標を立て、実行する。
その意味で、子育て同様、マネジメント能力はとても重要です。

2.コミュニケーション能力
どんなツールを導入するにしても、使い方、困り事など、自分から発信し、コミュニケーションしていく力はとても重要になります。
その際社内のコミュニケーション能力が試されます。
誰かが理解していなかったり、不満を持っていたりするとDXはなかなか進みません。
お一人お一人、そして組織のコミュニケーション能力を高める必要があります。

3.問題解決力
もうこれは、子育ても、DXも同じ。
全てに共通する大切な力。
DXを推進するにあたっては、問題は至る所に起こるので、問題解決力は大切です。
経営者は権限をしっかり移譲し、社員の皆さんに問題解決の同志になってもらう必要があります。

4.時間管理力
DXにおいても、まさにスケジュール管理は基本中の基本。
導入、研修、検証、改善などそれぞれのフェーズのスケジュールを設定したり、
それぞれの段階の細かな予定を全てスケジューリングする能力が必要です。

5.マルチタスク能力
現在のサービスや収益の質を落とさずに、DXの取り組みを行うことが重要です。
今ある業務と並行して行う必要のあるDXに関しては、マルチタスクは必須の力。
DXを始める際にこのことは社員の皆さんにも十分理解いただく必要がありますね。

6.長期的な視野
DXを短期でみるとどうしても、一時的に仕事が増えたり、今までやっていた仕事がなくなったり、不満が出やすいものです。
そういう場合は、長期的視野で会社がどう変わるか、お客様との関係性がどう変わるか、納得いただく必要があります。
その時、この長期の視野は重要ですね。

7.あきらめない心、根気強さ
もう本当に、声を大にして言いたい。
これなんです。何度もダメかなと思っても進めていくしかない。
諦めず、根気強く。
意外に目立たない方が、しっかり努力してくれたりする社員の意外な一面を見出せるのもDXの醍醐味です。

どうでしょう?
DXを推進するために会社が必要とする能力と、子育てを通じて獲得できる能力とびっくりするほど共通点があります。

多くのDXコンサルタントが騒いでいる中小企業のDX人材不足は、ちょっと疑った方がいいです。

ネットに書かれているような、データサイエンティストや優秀なプロジェクトマネージャーが中小企業で採用できるはずがありません。

今、みなさんの周りでしっかり業務をこなしている社員の方は、見方を変えればみんな貴重なDX人材です。

誰もが持っている、そして育むことのできる7つの能力を着実に伸ばしていけば、我々の会社のDX人材に困ることはありません。

今のメンバーで、社員の皆さんのありのままでDXは推進できます。

DXのために新たな人材をヘッドハンティングする必要はありません。

会社や組織に必要な能力はすでにあなたの会社に備わっていて、磨かれ、育まれるのを待っているのです。

TOP