2024年10月31日
コロナ禍真っ最中の2020年12月、経済産業省はDXに関するレポートを出しました。
それが、「デジタルトランスフォーメーション(DX)の河を渡る」です。
https://www.meti.go.jp/shingikai/mono_info_service/digital_transformation_kasoku/pdf/20201228_5.pdf
そこには、このようなイラストがあります。
デジタルトランスフォーメーション(DX)とは
出典:経済産業省「デジタルトランスフォーメーションの河を渡る」
このイラストの説明は、「デジタルトランスフォーメーションはデジタル変革の河を渡るプロセスであり、デジタルエンタープライズに至る道筋である。目指す対岸や河の幅、深さは企業によって変わってくる。それぞれに合った渡り方で取り組む必要がある。」
となっています。
とてもわかりやすく、本質を捉えたイラストと説明だと思います。
ただ、このレポートは、「デジタルエンタープライズ」と言っている「目指すべき彼の地」の詳しいイメージがありません。
このイラストの矢印の先にある世界は何となく白く霞んでいます。
誰もよくわからないんでしょうね。(笑)
「本当にDXした先って、このイラストが示すような、幸福な世界、理想郷なの?」と突っ込みたくなります。
我々、企業の現場では、「デジタル」「AI」で会社も変わらなければと強い危機感を持っているし、
社員さんも、デジタル化したけど負担は減るどころか増えるばかり、将来を考えればAIに仕事を取られるのではないかと疑心暗鬼にさえなっているで、
中途半端な理想論は受け入れられないですよね。
経済産業省からは「日本に400万社ある企業一つ一つの経営に口出しできないからDXの先は自分で考えて」と言われているような気がします。
根本的にこのようなあいまいな形で進んでいるのが日本のDX政策の現状です。
だから、日本のDXはわかりにくく、成功例も少ないのだと思います。
国が考えてくれないので、私たち経営者は、自分の会社が「DXの河を渡った先」「DXの向こう岸」を考える必要がありそうです。
そこで思い出したのは、大野耐一さんが書いた「トヨタ生産方式」という本の中にある「自働化」という言葉です。
この本によれば、トヨタ生産方式の柱は二つで、一つ目は「ジャスト・イン・タイム」、二つ目は「自働化」です。
トヨタが目指す生産方式は、一般的に使われる「自動化」ではなく、にんべんのついた「働」を使います。
にんべんのついた「自働化」とは、スイッチを押せばそれでよしではない、「機械に人間の知恵を授けることだ」と書かれています。
このところには、大変感動を覚えます。
トヨタ生産方式は単純作業を「自動化」する生産性の向上ではなく、人が関わり、人が機械と一緒になって創る「人と機械の共同作業」の上での生産性向上を目指すことなのです。
この本が出された1970-80年代のアメリカの自動車業界では、人をもの扱いする大量生産方式を続けていたアメリカの自動車産業が競争力を失い、大量に失業者が出ていた時代であり、そうした労働者への扱いに反発する労働者のストライキが頻発した時代です。
そんな時代に、トヨタは、「人中心」の生産システムを確立していたのです。
日本人ならではの「にんべんのある自働化」でトヨタ自動車は現在でも世界に堂々と君臨しています。
本当に世界に誇れる日本企業の偉業であると私は思います。
一方、ソフトバンクの孫さんは、「AIと人間の脳の差は、今の人間と金魚くらいの差になる」と予言しています。
つまりAIにとって、人間は金魚くらいな存在になると。
一つの事実はそうかもしれませんが、いつでもどの時代でも、人間の存在以上に尊いものは存在しません。
少なくとも私はそう考えます。
だとするなら、「DXの河を渡った先」は「人の笑顔やしあわせ」となるのではないでしょうか。
「DXの河を渡った先」は、最先端のインテリジェントビルや完全自動運転化された電気自動車が走り回る世界かもしれませんが、それは中心ではありません。中心となるのは、それらを使い、そこで暮らす人々の「人の笑顔やしあわせ」ではないでしょうか。
我々がそこを目指してDXでの競争力の向上を目指した時、日本人ならではの、あなたの会社を愛するあなたの会社ならではのDXが実現するはずです。
このDXにより、あなたの会社は国際社会に通用する独自性と競争力を持ち、社員やお客様や地域の共感を得て、成長軌道を歩むことになります。
我々も、日本発、中小企業発の「にんべんのある自働化=デジタル化」で「人の笑顔やしあわせ」に貢献するDXを目指し、一緒にチャレンジしていきましょう!
ニューフォースが考えるにんべんのある「自働化🟰デジタル化」と「DXの河」の向こう岸
制作:ニューフォース